私は子供の頃から内気で、思っていることを言えず、友達もなかなかできないような子でした。
学校の発表では声が震え、人前で食事をする時は喉が詰まって食べれず、給食では毎回最後まで残されていました。
「これは性格だから仕方ない」そうあきらめて大人になりましたが
ある研修に参加した時、発表の場で尋常ではないほど緊張してしまい
「これは普通ではない」自分は病気ではないかと思うようになりました。

その後、薬局で薬を待っていた時ふと目についた冊子
「社会不安障害」というタイトル。
手に取って見てみると、その症状は私が長年悩んでいたそれと全く一緒でした!
そう、私は「社会不安障害」だったのです!
あの時心の中で小さなガッツポーズをしたのを覚えています。
やっぱりこれは病気だった!
私は仕事で悩んでいたこともあり、勇気をだして心療内科を受診することにしました。
性格だとあきらめていた「上がり症」も、社会生活に支障が出るほどなら「社会不安障害」かもしれない。社会不安障害なら治療が出来る。
社会不安障害とは
社会不安障害(SAD)とは、人前で何かをするときに強い不安や恐怖を感じ、ふるえ・動悸・発汗などの身体症状があらわれ、日常生活に支障が出る病気です。
遺伝的に不安を感じやすい要素もベースとなり、小さい頃の体験や育ってきた環境で、社会不安障害発症リスクが高くなります。
心の症状(不安や恐怖の場面)
- 大勢の人の前で話す
- 権威のある人と話す
- 人前で電話をとる
- 人前で字を書く
- 会食
など、人により不安に思う場面はさまざま。

体の症状(体にあらわれる反応)
- 発汗
- ふるえ
- 動悸
- 赤面または青ざめる
- 口の渇き
- 息苦しさ
- 吐き気
など、またそれを気にしだすとさらに不安が強まり、悪循環となります。
「心の症状」による「体の症状」で苦痛を感じ、社会生活に支障があるのなら、メンタルクリニックや心療内科で相談してみましょう。
社会不安障害と合併症
社会不安障害から苦手な場面を回避していると、他の心の病気を合併してしまうことがあります。
- うつ病
- アルコール依存
- 摂食障害


社会不安障害の治療
- 薬物療法
- 精神療法(認知行動療法)
私の受診体験
まず病院を調べ予約の電話をします。
私はネットで調べ、口コミや交通手段である心療内科に決めました。
初診の日、待合室にはたくさんの患者さん!
こんなに病んでいる人がいるのかと衝撃!
診察の前に看護師の聞き取りがありました。
私は緊張すると思い「どういう時にどういう症状が出て困っているか」書いたメモを持参。
家族構成や子供の頃の事、今の状況や自分の思考などについて随分詳しく聞かれ
私はここまで深く自分のことを語った事がなかったので、なぜか涙が…
なんかここでスッキリした感がありますが、診察はこれから。
心療内科の診察は1人にかかる時間が長く、朝行っても診察室に入る時間が夕方になることも…。
私は昼過ぎに診察が出来ました。
問診は済んでいるので話はスムーズでしたが、やっぱり先生の前では緊張するのでメモが役立ちました。
とりあえず社会不安障害に効果のあるSSRIと、特別緊張する場面にだけ使う抗不安薬を処方してもらうことに。

飲み始めてほどなく副作用で食欲がなくなりましたが、それもすぐに慣れます。
結局、薬は4ヵ月ほど飲んで、環境がかわって楽になった(仕事を辞めた)ため終了しましたが
屯用の抗不安薬は、今だにここぞの時に飲んでいます。
私は不安が強く出る場面が決まっているので、抗不安薬だけでいいのかもしれません。
はじめは薬を飲むことに抵抗がありましたが、飲むのと飲まないのとでは気分が雲泥の差!
いつもなら絶対緊張して、頭の中が真っ白になって動悸がする場面でも
ちゃんと正常でいられる!!
スーッと落ち着く感じで、副作用もありません。
今はこれを使いながら、いつか飲まなくてもいいように加減をして生活しています。
あの時、勇気を出して受診して良かった!そう思っています。
病気が原因で退職した場合、診断書(ハローワーク指定のもの)を提出すれば、3ヶ月の給付制限なしに雇用保険を受給できます。国民健康保険料の軽減措置もあります。
まとめ
生きづらさを感じ生活に支障が出ているなら、勇気を出して受診してみて下さい。
誰かに話すだけでも随分楽になりますよ。
適切な治療をすれば治る病気です。
私は完治するまでの治療はしませんでしたが、これからもうまくつき合っていくつもりです!